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カテゴリ: 行動経済学

あなたがこんな質問を受けたらどちらを選びますか?

質問1
A)100万円が無条件で手に入る
B)10%の確率で1000万円手に入るが、90%の確率で何も手に入らない。

質問2
C)100万円を無条件で失う
D)10%の確率で1000万円失うが、90%の確率で何も失わない。

質問1ではどちらも受け取ることのできる金額の期待値は同じです。ですが一般的には堅実に100万を受け取ることを選ぶ人が多いとされています。

質問2も失う金額の期待値は同じです。ですが一般的にはギャンブル性の高いDを選ぶ人が多いとされています。

人は利益を得られるときは確実性を重視し、損失を被るときは一途の望みにかけようとします。このような傾向があることがプロスペクト理論です。

トレードでは利大損小に努めることが求められますが、初心者はどうしても利小損大になってしまいます。これはまさしくプロスペクト理論で説明がつきます。

ところが同じ質問でも金額が変わってくるとどうでしょう。 

質問3
A)100円が無条件で手に入る
B)10%の確率で1000円手に入るが、90%の確率で何も手に入らない。

質問4
C)100円を無条件で失う
D)10%の確率で1000円失うが、90%の確率で何も失わない。

金額を一万分の一にしてみました。これだと答えが逆転する人が多いのではないでしょうか?

この金額の違いはつまり、質問1、2の100万円という金額は大切で失いたくない金額であり、質問3,4の100円という金額ははした金だということです。

よく投資は「余裕資金で行いましょう」と言われますが、その目安となる金額として私は回答が質問3,4になる程度の金額になることをお勧めします。回答が質問1,2のようになるような大金を不慣れな人がトレードに突っ込むと永久に損切れない塩漬けができる恐れがあるからです。


今回は前回の時間割引の話の応用です。

大切な用事があるので朝早く目覚ましをセットしておいた。でもいざ朝になってみるとなかなか起きれず遅刻した。こういうことありますよね。

これは早く起きることによって大切な用事を済ませられる大きなメリットよりも目先のもうちょっと寝ていたいという小さなメリットを優先させた形になります。これも時間割引といい、時間割引率が高いケースになります。

しかし寝る前に目覚ましをセットしたときはちゃんと朝起きるつもりでいたはずです。このときはまだ目先よりも大切な用事のことを優先して考えられてたわけです。このときは時間割引率が非常に低かったわけです。

このように同じ人でも同じことに対して時間割引率が変わることがあります。大抵はこのようにずっと先のことより直近のことのほうが時間割引率が高くなります。

このような性質のことを双曲割引と言います。 

そしてトレードにおいても逆指値の入れ方において双曲割引が見られます。

例えばドル円を1ドル100円でロングを入れたとしましょう。と同時に逆指値を99円に設定しておいたとします。ドル円が100円前後でうろちょろしているころはいいのですが、予想外に99円に迫ってくると焦りだします。あとちょっとで99円の逆指値にかかってしまう、そんなときその逆指値をもう少し下にずらしてしまったりする人いますよね。 

今10000円貰えるのと一年後10000万円貰えるのとどちらがいいかと言われれば普通は今がいいと言うだろう。

では今9500円貰えるのと一年後10000円貰えるのとどちらがいいかと言われるとどうか。今9500円貰ったほうがいいという人もいれば、超低金利の世の中年利5.2%に魅力を感じて一年後を選ぶ人もいるだろう。

今貰うのを選んだ人にとっては今の9500円が一年後の10000円より価値があるということです。このように将来得られる価値を割り引くことを時間割引といいます。今貰うのを選んだ人は一年後の金額より5.2%割り引いて考えているのでその人の時間割引率は5.2%になります。

今5000円貰えるのと一年後10000円貰えるので比べても今の5000円を選ぶ人は時間割引率50%です。大変お金に困ってるのでしょうね。このように時間割引率が高い人ほど目先のことしか考えない短気な人なのです。

ではこの考えを含み損に持ち込んでみるとどうでしょうか。

今損切りすれば10万円しか残らないが一年後には買値の100万に戻るとしたらどうでしょう。今損切りする人は90%割り引くことになるので時間割引率は90%です。

今損切りしても10万円しか残らないし一年後になっても10万円しか残らない場合は時間割引率が0%になります。

すぐ損切りしてしまう人は短期でダメな人なのでしょうか?そんなことはありません。まず前提として一年後に買値の100万に戻る保証がないからです。

ではずっと損切りせずに一年後の10万円まで持ち続ける人は気長な人なのでしょうか。これもやはり前提がおかしいです。一年後には0円になっている可能性もあるのですから。

それどころか今損切りしても10万円しか残らないが一年後には0円だと言われても一年後を選んでしまう人は多いでしょう。時間割引率がマイナス無限大です。なんて気長な人なのでしょう。もはや仙人です。

名前とは非常に重要なもので、その名前だけでひとはそのモノがどういうものか想像しようとします。

最近奨学金の返済に苦しむ人が多くなり社会問題になっています。奨学金と聞くと必要とあらば気軽に申請してしまいがちですが、あれは実態はローンと変わりありません。ローンと聞くとちゃんと返せるかどうか一歩立ち止まって考えるものですが、奨学金というネーミングのせいでその抵抗がなくなってしまうのです。そして返済する局面になってようやくただのローンだったということに気づき返済に四苦八苦していくのです。 

では「塩漬け株」というネーミングはどうでしょうか。 塩漬けして熟成し、おいしくなりそうな名前ですね。こんな名前を付けてるから人は損切りができないのです。

もっと卑猥で過激な名前にし、持っているだけで罪悪感を感じざるを得ないようにすればいいのです。

有名大学卒とかいう肩書きだけでその人をきっと優秀な人に違いないと思うことがあります。その肩書がハロー(後光)となってその人を輝かせるのです。このような現象をハロー効果といいます。

商品の紹介で「あの人も使っている」という言葉がよく出てきます。これはあの有名人が使っているならばきっといい商品に違いない、というように商品に後光がかかって見えるようにしているのです。

ではトレードではどうでしょう。

ずっと持ち続けていた塩漬け株をとあるカリスマトレーダーが購入したという情報を耳にしたとします。するとあのカリスマが目をつけてくれたなら大丈夫なはずだ、近いうちに助かるはずと思うようになります。塩漬け株に後光がかかったのです。論理的な根拠があるわけではないのにその後光だけで精神的にすごく楽になります。

ところが不思議なもので後日そのカリスマトレーダーがその株に見切りをつけたという情報を耳にしたとしても、自分は損切りできないんですよね。不思議なものです。

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