人は選択肢が多くなればなるほど決定することができなくなる性質があり、これを決定麻痺と言います。

例えばテレビを買いに家電量販店に行ったとします。インチ数だけはだいたい決めておいたとしても結構な数のテレビがあるものです。そうなるとどれがいいのか比較するのが面倒になり、やっぱり今あるテレビのままでいいかという気持ちになって買うのをやめてしまうのです。

株式でも決定麻痺がおこります。投資初心者が株式投資をしようと思っても、まず銘柄の多さに圧倒されます。いったいどの株を見ていけばいいのか訳が分からず、そこが一つのハードルになってきます。一方そんな人たちにとってはFXはとっつきやすく感じるでしょう。FXも通貨ペアの数はそれなりにありますが、株の銘柄数ほどではありません。しかもドル円に圧倒的な存在感があるのでそんなに迷うこともありません。ドル円に決定できるのです。

損切りにおいても決定麻痺がおこります。いつ損切りするかの時間軸と、いくらで損切りするかの価格軸の二次元レベルで損切りの選択肢が存在するからです。いつまでにどのくらいの価格になったら損切りをするかという無限の選択肢の中で人はそれを決定することができず、損切りを諦めてしまいます。

ですのでこの決定麻痺の観点から言えばまず選択肢を減らすことが重要になってきます。 つまりは指値と逆指値をいれることによって二択に持ち込むのです。例えばドル円を100.00でロングしていて現在98.50まで落ちてきたとしましょう。そしたらいくらまで戻ったら損切りするかをまず決めて例えば指値98.8に入れます。次にいくらまで落ちたら損切りするかを決めて例えば98.2に逆指値を入れます。このように無限にある損切りの選択肢をまずは二択に追い込むのです。

でも本音を言えば指値と逆指値はポジションを取るのと同時に入れたほうがいいでしょう。そもそもポジションを取るときにどのタイミングで決済するかを決めていないから含み損を抱えるハメになるのです。決済タイミングは無限にあるのですから決定麻痺が起こるのは当たり前です。ですのでポジションを取る前にまずは指値と逆指値という二つの選択肢に絞っておきましょう。