あなたがこんな質問を受けたらどちらを選びますか?

質問1
A)100万円が無条件で手に入る
B)10%の確率で1000万円手に入るが、90%の確率で何も手に入らない。

質問2
C)100万円を無条件で失う
D)10%の確率で1000万円失うが、90%の確率で何も失わない。

質問1ではどちらも受け取ることのできる金額の期待値は同じです。ですが一般的には堅実に100万を受け取ることを選ぶ人が多いとされています。

質問2も失う金額の期待値は同じです。ですが一般的にはギャンブル性の高いDを選ぶ人が多いとされています。

人は利益を得られるときは確実性を重視し、損失を被るときは一途の望みにかけようとします。このような傾向があることがプロスペクト理論です。

トレードでは利大損小に努めることが求められますが、初心者はどうしても利小損大になってしまいます。これはまさしくプロスペクト理論で説明がつきます。

ところが同じ質問でも金額が変わってくるとどうでしょう。 

質問3
A)100円が無条件で手に入る
B)10%の確率で1000円手に入るが、90%の確率で何も手に入らない。

質問4
C)100円を無条件で失う
D)10%の確率で1000円失うが、90%の確率で何も失わない。

金額を一万分の一にしてみました。これだと答えが逆転する人が多いのではないでしょうか?

この金額の違いはつまり、質問1、2の100万円という金額は大切で失いたくない金額であり、質問3,4の100円という金額ははした金だということです。

よく投資は「余裕資金で行いましょう」と言われますが、その目安となる金額として私は回答が質問3,4になる程度の金額になることをお勧めします。回答が質問1,2のようになるような大金を不慣れな人がトレードに突っ込むと永久に損切れない塩漬けができる恐れがあるからです。