「損切り」行動経済学 ~ 人はなぜ損切りできないのか ~

損切りできないトレーダーへ送るブログです

今10000円貰えるのと一年後10000万円貰えるのとどちらがいいかと言われれば普通は今がいいと言うだろう。

では今9500円貰えるのと一年後10000円貰えるのとどちらがいいかと言われるとどうか。今9500円貰ったほうがいいという人もいれば、超低金利の世の中年利5.2%に魅力を感じて一年後を選ぶ人もいるだろう。

今貰うのを選んだ人にとっては今の9500円が一年後の10000円より価値があるということです。このように将来得られる価値を割り引くことを時間割引といいます。今貰うのを選んだ人は一年後の金額より5.2%割り引いて考えているのでその人の時間割引率は5.2%になります。

今5000円貰えるのと一年後10000円貰えるので比べても今の5000円を選ぶ人は時間割引率50%です。大変お金に困ってるのでしょうね。このように時間割引率が高い人ほど目先のことしか考えない短気な人なのです。

ではこの考えを含み損に持ち込んでみるとどうでしょうか。

今損切りすれば10万円しか残らないが一年後には買値の100万に戻るとしたらどうでしょう。今損切りする人は90%割り引くことになるので時間割引率は90%です。

今損切りしても10万円しか残らないし一年後になっても10万円しか残らない場合は時間割引率が0%になります。

すぐ損切りしてしまう人は短期でダメな人なのでしょうか?そんなことはありません。まず前提として一年後に買値の100万に戻る保証がないからです。

ではずっと損切りせずに一年後の10万円まで持ち続ける人は気長な人なのでしょうか。これもやはり前提がおかしいです。一年後には0円になっている可能性もあるのですから。

それどころか今損切りしても10万円しか残らないが一年後には0円だと言われても一年後を選んでしまう人は多いでしょう。時間割引率がマイナス無限大です。なんて気長な人なのでしょう。もはや仙人です。

名前とは非常に重要なもので、その名前だけでひとはそのモノがどういうものか想像しようとします。

最近奨学金の返済に苦しむ人が多くなり社会問題になっています。奨学金と聞くと必要とあらば気軽に申請してしまいがちですが、あれは実態はローンと変わりありません。ローンと聞くとちゃんと返せるかどうか一歩立ち止まって考えるものですが、奨学金というネーミングのせいでその抵抗がなくなってしまうのです。そして返済する局面になってようやくただのローンだったということに気づき返済に四苦八苦していくのです。 

では「塩漬け株」というネーミングはどうでしょうか。 塩漬けして熟成し、おいしくなりそうな名前ですね。こんな名前を付けてるから人は損切りができないのです。

もっと卑猥で過激な名前にし、持っているだけで罪悪感を感じざるを得ないようにすればいいのです。

有名大学卒とかいう肩書きだけでその人をきっと優秀な人に違いないと思うことがあります。その肩書がハロー(後光)となってその人を輝かせるのです。このような現象をハロー効果といいます。

商品の紹介で「あの人も使っている」という言葉がよく出てきます。これはあの有名人が使っているならばきっといい商品に違いない、というように商品に後光がかかって見えるようにしているのです。

ではトレードではどうでしょう。

ずっと持ち続けていた塩漬け株をとあるカリスマトレーダーが購入したという情報を耳にしたとします。するとあのカリスマが目をつけてくれたなら大丈夫なはずだ、近いうちに助かるはずと思うようになります。塩漬け株に後光がかかったのです。論理的な根拠があるわけではないのにその後光だけで精神的にすごく楽になります。

ところが不思議なもので後日そのカリスマトレーダーがその株に見切りをつけたという情報を耳にしたとしても、自分は損切りできないんですよね。不思議なものです。

↑このページのトップヘ