「損切り」行動経済学 ~ 人はなぜ損切りできないのか ~

損切りできないトレーダーへ送るブログです

「こんなこったろうと思ってたよ!」「いやな予感はしてたんだよなぁ」などと、何か事件が起こった後によく言ったり聞いたりしたことありますよね。

人の記憶はあいまいで事件が起きる前に自分がどう考えていたかは意外とはっきりしません。しかし実際に事が起きるとそれに影響されてもともと自分はそうなると考えていたと思うようになります。これを後知恵バイパスといいます。

さて多額の含み損となった塩漬け株やポジションに対してあなたは後悔したことがありませんか?「危ないかなとは思ってたんだよなぁ」、とか後悔先に立たずです。というかそもそも本当に危ないと思っていたのでしょうか?思っていたならなぜ購入してしまったのでしょうか?危ないかもと感じたことが現実となったときどうするつもりだったのでしょうか?

そう考えると意外にも何も考えずにトレードしていたんだなということに気づきます。考えているようで考えていないのです。

なのでトレードするときはその理由をはっきりさせて文章にし記録に残しましょう。予想されるリスクに対してはそれが現実となった場合にどういう対処をするつもりがはっきりさせて文章にし記録に残しましょう。そうしておけば「いやな予感はしてたんだよなぁ」 なんていう後悔をしてズルズル含み損を抱え続けることは、少なくはなるでしょう。

あなたがこんな質問を受けたらどちらを選びますか?

質問1
A)100万円が無条件で手に入る
B)10%の確率で1000万円手に入るが、90%の確率で何も手に入らない。

質問2
C)100万円を無条件で失う
D)10%の確率で1000万円失うが、90%の確率で何も失わない。

質問1ではどちらも受け取ることのできる金額の期待値は同じです。ですが一般的には堅実に100万を受け取ることを選ぶ人が多いとされています。

質問2も失う金額の期待値は同じです。ですが一般的にはギャンブル性の高いDを選ぶ人が多いとされています。

人は利益を得られるときは確実性を重視し、損失を被るときは一途の望みにかけようとします。このような傾向があることがプロスペクト理論です。

トレードでは利大損小に努めることが求められますが、初心者はどうしても利小損大になってしまいます。これはまさしくプロスペクト理論で説明がつきます。

ところが同じ質問でも金額が変わってくるとどうでしょう。 

質問3
A)100円が無条件で手に入る
B)10%の確率で1000円手に入るが、90%の確率で何も手に入らない。

質問4
C)100円を無条件で失う
D)10%の確率で1000円失うが、90%の確率で何も失わない。

金額を一万分の一にしてみました。これだと答えが逆転する人が多いのではないでしょうか?

この金額の違いはつまり、質問1、2の100万円という金額は大切で失いたくない金額であり、質問3,4の100円という金額ははした金だということです。

よく投資は「余裕資金で行いましょう」と言われますが、その目安となる金額として私は回答が質問3,4になる程度の金額になることをお勧めします。回答が質問1,2のようになるような大金を不慣れな人がトレードに突っ込むと永久に損切れない塩漬けができる恐れがあるからです。


今回は前回の時間割引の話の応用です。

大切な用事があるので朝早く目覚ましをセットしておいた。でもいざ朝になってみるとなかなか起きれず遅刻した。こういうことありますよね。

これは早く起きることによって大切な用事を済ませられる大きなメリットよりも目先のもうちょっと寝ていたいという小さなメリットを優先させた形になります。これも時間割引といい、時間割引率が高いケースになります。

しかし寝る前に目覚ましをセットしたときはちゃんと朝起きるつもりでいたはずです。このときはまだ目先よりも大切な用事のことを優先して考えられてたわけです。このときは時間割引率が非常に低かったわけです。

このように同じ人でも同じことに対して時間割引率が変わることがあります。大抵はこのようにずっと先のことより直近のことのほうが時間割引率が高くなります。

このような性質のことを双曲割引と言います。 

そしてトレードにおいても逆指値の入れ方において双曲割引が見られます。

例えばドル円を1ドル100円でロングを入れたとしましょう。と同時に逆指値を99円に設定しておいたとします。ドル円が100円前後でうろちょろしているころはいいのですが、予想外に99円に迫ってくると焦りだします。あとちょっとで99円の逆指値にかかってしまう、そんなときその逆指値をもう少し下にずらしてしまったりする人いますよね。 

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